チップなどの木質バイオマス燃料として丸太形態の林地残材を利用する場合を想定し, 丸太形状のヒノキ残材の自然乾燥実験を行った。場所を標高が高い林内の林道端 (林道沿いの空き地) と標高の低い平地にある舗装土場とし, それぞれ日当たりの良いところと悪いところに残材を積み上げて約3カ月間自然乾燥させた。供試残材から採取した円盤の平均含水率は, 林道端では乾燥期間中有意な変化は認められなかったが, 舗装土場では3カ月間で82%から38%に低下した。日当たり別では有意な差はなく, 地面と接触している状態の残材は上層に積まれたものより約10%含水率が高かった。9月から12月の実験期間中観測した温湿度は, 林道端が舗装土場より約7℃気温が低く約20%湿度が高かった。土と舗装という地面の差は分散分析における交互作用の分析結果からは明確でなく, 場所による温湿度の差が主要な乾燥条件の差であったと考えられる。