竹林の分光反射特性の季節変動を把握することを目的として, 多時期衛星データ (SPOT/HRVデータ8シーン, LANDSAT/TMデータ9シーン) の解析および地上での分光反射測定から竹林, 広葉樹林, 針葉樹人工林の分光反射特性の季節変動を把握した。その結果, 衛星データと地上分光反射データにはいくつかの共通点がみられた。4~6月の可視赤色域においては, 竹林は他の森林タイプよりも反射係数およびデジタルナンバーが高い傾向にあった。近赤外域では, 竹林と広葉樹林で春から夏にかけて順位の入れ替わりがあった。短波長赤外域は, 衛星データにおいて竹林が年間を通して最も高い値をとった。また, 5~7月の近赤外域およびほとんどのシーンの短波長赤外域において全森林タイプ間でデジタルナンバーに有意差がみられた。竹林の分光反射特性の季節変動には, 葉替わりが大きく関与しているものと思われた。