アオダモの発芽特性を知る目的で実験室レベルでの発芽実験を行った。果実の発芽適温は20℃変温で, これよりも低いあるいは高い温度領域において発芽は抑制された。果皮全体の除去は発芽を促進したが, 果皮の一部傷付け処理のみでは促進効果がないことから, 果皮の物理性が発芽抑制の原因と考えられた。低温湿層処理は発芽率と発芽速度に促進的な効果を与えた。適温 (20℃) ならば無処理でもある程度発芽することから, 種子休眠の深さは弱いと考えられる。アオダモの分布域の中心である北海道南東地域では, 種子散布期において気温が20℃を上回る機会は少ないので, 弱い休眠でも秋の誤発芽 (precocious germination) を防止できると考えられる。