2004年に表面にボーヴェリア培養型不織布製剤(不織布)を固定した被害材をさまざまな方法で被覆し,材から脱出した成虫の死亡率を比較した。材から脱出した成虫の捕獲後15日以内の死亡率(死亡率)は,材を市販のブルーシート(#1500)で覆っただけの場合(無施用区)86%で,さらに不織布を材表面に固定する(無開口区)と100%に上昇し,全捕獲個体でボーヴェリアが叢生した。シートに開口部を設けると死亡率は低下し,特にシートの上部中央に開口部を設けた場合,死亡率は無施用区と差がなかった。不織布を施用し生分解性シートで被覆した場合も死亡率は96%と高かったが,ボーヴェリア叢生率は21%と低かった。2005年の無施用区と無開口区では叢生率は37%と56%であったが,死亡率はそれぞれ80%,90%以上と2004年同様高かった。これらの結果から,不織布を表面に固定した被害材をブルーシートで被覆することで,極めて高い駆除効果を得られることが明らかになった。