筆者らが新たに食品汚泥から開発したコンポストを,スギの挿し付け床に施肥し,コンポストが挿し木の発根と成長に及ぼす影響を調査した。コンポスト施肥個体では高濃度の施肥(0.9 g N/pot)にも関わらず,施肥による発根傷害は認められなかった。また,無施肥個体では,樹高伸長がほとんど認められなかったのに対し,コンポスト施肥個体では,挿し付け100日後から急速な樹高伸長が始まり,高濃度の施肥では,挿し付け後170日で平均樹高伸長量が9.2±5.0_cmに達した。スギの挿し付け床にコンポストを施肥することによって,挿し木の発根率を損なうことなく,成長を著しく促進できると考えられる。