マツノマダラカミキリの蛹室内温湿度環境を調べるため,人工蛹室を内蔵したマツ材線虫病被害丸太を直射日光の当たる裸地および日陰の林内に設置し,それぞれの場所での人工蛹室内と外気の気温および湿度を測定した。平均気温,最低気温および曇天日の最高気温に丸太の設置場所や人工蛹室内外による違いはみられなかったが,晴天日の日中には裸地の人工蛹室内気温は高温になりやすく,最高39.9ºCに達した。人工蛹室内湿度に日周変動はみられず,日数の経過に伴う丸太の乾燥により徐々に低下した。これらの結果をもとに,材内の温湿度環境がマツノマダラカミキリの羽化脱出に及ぼす影響について考察した。