デジタル航空写真とLiDARを用いた森林の現況調査手法を検討するため,カラマツ林を対象に基本的な林分因子である立木本数,平均樹高,材積の推定を行った。まず,樹種別の推定のため,マルチスペクトル画像から5クラスの樹種分類図(カラマツ,アカマツ,広葉樹,非植生,影)を作成した結果,分類精度は90%以上であった。次に,ステレオペアのパンクロマチック画像から作成したDSM(Digital Surface Model)とLiDARのDTM(Digital Terrain Model)を用いて単木の樹冠抽出を行い,樹種分類図と重ね合わせて抽出樹冠の樹種を特定し,樹冠ごとに林分因子の推定を行った。毎木調査との精度検証の結果,カラマツでは立木本数の推定率が85.6%,平均樹高の誤差が0.4 m,材積の推定率が84.9%であった。樹種別では,広葉樹よりも針葉樹において推定精度が高く,樹冠形の違いが影響していると考えられた。