長野県塩尻市および岩手県盛岡市のアカマツ林内にアカマツ製材を設置してオオゾウムシの加害状況を調査した。オオゾウムシは,試験材の樹皮残存部に多く穿入したが,製材面でも穿入がみられ,産卵当年の冬までに成虫まで発育するものもあった。試験材の辺材部含水率は試験終了時でも平均82.5∼99.7%で湿潤な状態を保っていた。これらから,オオゾウムシは十分に湿潤な材であれば樹皮がなくても産卵,生育できると判断した。