土壌CO2フラックスの空間変動パターンとその要因を明らかにするために, 岩手県・安比高原のブナ二次林内に 35 m×35 mの調査区を設置し, その中で49カ所にチャンバーを埋め, 土壌CO2フラックスを測定した。調査区域内には土壌CO2フラックスの凹凸パターンがみられた(変動係数:15.8∼26.7)。立木位置・サイズで表される樹木地上部特性の指標でこれらの空間変動の約1割を説明できた。また, 土壌CO2フラックスの空間変動には土壌体積含水率と負の相関がみられた。一方, 土壌体積含水率は樹木地上部特性の指標と負の相関があった。これらの結果は, 森林内の土壌CO2フラックス空間変動に立木のサイズ・分布で表される林分構造が土壌体積含水率を通して間接的に影響している可能性を示唆する。