オオバアサガラの果実の特徴, 発芽特性の解明をするため, 東京農業大学奥多摩演習林内に自生している約12年生のオオバアサガラの母樹から果実を採取し, 果実の精選, 発芽試験を行った。採取した果実をふるいにかけ, 夾雑物を除去した果実から得られた種子の充実率は59.0%であった。風選は充実率を高めることはできなかったが, シイナの除去効果は認められた。各種比重選を実施したが, 果実のほとんどが沈下しなかった。発芽試験では結実年に発芽力が認められ, 5カ月間低温湿層貯蔵したものも採取直後と同様の発芽率を示したが, 低温乾燥貯蔵では種子に活力は認められたものの発芽は認められなかった。