マツ材線虫病抵抗性クロマツのさし木の発根率を向上させるため, 抵抗性クロマツ5家系の実生由来の7年生採穂台木から得たさし穂に, 異なる濃度のIBA, NAAおよびウニコナゾール-Pを単独および併用で処理し, 発根に及ぼす影響を検討した。さし穂を0∼10,000 mg/LのIBAあるいはNAA水溶液で処理した結果, 全家系を込みにした平均発根率は5,000 mg/L IBAの処理で最も高かった。0∼100 mg/L ウニコナゾール-Pの単独の処理は発根をほとんど促進しなかったが, 5,000 mg/L IBAと100 mg/L ウニコナゾール-Pの処理を併用すると, 5,000 mg/L IBA単独の処理より有意に発根率が高くなった。この処理によって発根性の低い家系でも発根率が向上する傾向がみられ, 両者の併用処理はクロマツのさし木の発根促進に有効な方法であるといえる。