北海道に設定されている環境条件の異なる3カ所の採種園に植栽されているトドマツ精英樹クローンを対象に, 応力波伝播速度, ピロディン値を測定した。各採種園における解析結果から, 既報の動的ヤング率や容積密度における解析結果と同様の結果が得られた。応力波伝播速度およびピロディン値を指標として, 環境と遺伝子型の交互作用を検討するため分散分析を行った結果, 応力波伝播速度, ピロディン値ともクローン間および採種園間に有意な差があったが, 環境と遺伝子型の交互作用に有意な差が認められなかった。環境と遺伝子型の交互作用が認められなかったことや各採種園間の共通クローンの積率相関や順位相関の相関係数が比較的高かったことから, 応力波伝播速度とピロディン値は, 採種園間のクローンの順位の変動が小さいと考えられた。