マツノザイセンチュウ接種後の生存率の年次変動の原因を明らかにするため, マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ自然交配家系11家系に対する接種検定後の生存率について8年間の結果を検討した。その結果, 生存率は接種後8週間ならびに接種前後21日間の降水量との間に相関関係は認められなかった。しかし, 解析の対象とした11自然交配家系のうち7家系で, その家系が受粉した年の開花期の降水量が少ないほど統計的に有意に生存率が高かった。よって, 開花期の降水量の違いによってもたらされる花粉の飛散状況の違いが, 抵抗性クロマツ自然交配家系に対する接種検定の年次変動を生じさせる原因の一つである可能性が高いと予想された。