木質バイオマスをボイラ燃料として用いるには乾燥が必要である。本研究は長さ2 mのスギ皮付き丸太をアスファルト舗装された土場で, 方形状および三角形状にはえ積みし, 12月から9月までの約9カ月間, 天然乾燥し, その含水率の推移を分析した。その結果, 約9カ月間乾燥することで平均含水率が約140%から40%まで低下した。方形積みと三角積みの積み方の違いは, 含水率の低下に影響を与えなかった。また, 方形積み, 三角積みともに表層部の丸太が乾燥し, 内部と比較すると含水率で2倍以上の違いがあった。表層の丸太内の含水率の偏りは小さかったが, 内部の丸太内の偏りは大きかった。さらに, 丸太の設置環境によっても乾燥後における丸太内の水分分布に偏りができた。そのため, はえ積みの丸太を含水率の偏りなく乾燥させるためには, 表層部の平均乾燥速度が低下する頃に表層部と内部の丸太を積み替える必要がある。