森林土壌における枯死根の分解呼吸量を推定するため, L層に直接埋設した枯死根を定期的に掘り出して, 小型チャンバーを用いて枯死根からのCO2放出量を測定した。枯死根からのCO2放出量は83.3∼577.3 mg CO2kg−1 h−1で, 枯死根の分解に伴って発生していると考えられた。CO2放出量は季節変化を示し, 気温が高いほど高い値を示した。また, 枯死根の平均直径が小さいほどCO2放出量は高かった。これらの結果から, 森林土壌における枯死根の分解呼吸量の推定においては季節変化および直径の小さい細根の枯死分解過程を考慮する必要があることが示唆された。