農漁業がおもな産業である北海道南部の八雲町の住民健診受診者を対象に, 自記式質問紙にて森林散策頻度の実態調査を行った。解析対象者は578人 (男性215人, 女性363人: 平均年齢 (標準偏差) 64.4 (10.2) 歳, 年齢範囲39∼89歳) であった。月1回以上, 森林散策をしている人は83人 (14.4%), 年1回以上の人は180人 (31.1%) であった。70歳代でも9.8%, 80歳代でも14.3%の人が, 週1回以上, 森林散策をしていた。都市部である静岡県中西部地区と比較した結果, 年齢, 性別, 職業, 森林散策の好き嫌いの分布を調整した後でも, 八雲町の方が森林散策頻度は有意に低く, 地域差が認められた。一方で, 森林散策と関連がある要因は静岡県中西部地区の結果と同様であり, 年齢が高く, 男性で, 森林散策が好きな人が森林散策の頻度が高い傾向が認められた。