マツ枯れ被害状況と標高・温量 (MB指数) ・地形・方位との関係を明らかにするために, 京都市全域において445箇所のアカマツ林を対象に, 外観的な被害状況を調査した。標高では500 m以上, MB指数では27以下で被害が大きく減少した。被害状況の指標としてはこれら両者に大きな違いはみられなかった。地形別にみると尾根部の被害は山腹部に比べて少なかった。一方, 方位間では被害に大きな違いは認められなかった。MB指数に比べ標高はより簡便に求めることができるため, 標高に基づいた京都市内のマツ材線虫病被害ハザードマップを作成した。ハザードマップから, 京都市では景観上重要なアカマツ林のほとんどが標高500 m未満に分布しており, アカマツ林を存続させるためには, その地域での徹底した防除が必要であることが明らかになった。