無散布木と散布木を均等に配置したコナラ林で2008年およびミズナラ林で2009年に研究を実施した。散布木にフェニトロチオン1.6%乳剤をカシノナガキクイムシ成虫の穿入直後とその約3週間後に, 地上から6mまで樹幹散布した。散布木において1回目散布後に穿入数の増加は認められなかったため, 穿入直後の散布は穿入の継続を断ち切ることを示した。さらに, コナラ林およびミズナラ林の無散布木において1回目散布後に新たに発生した穿入木の本数割合はそれぞれ81.1%および95.7%であったが, 散布木ではそれぞれ2.8%および18.5%に抑えられ, 穿入密度は低くなる傾向があった。このため, MEPの2回散布は成虫の発生期間を通じて, 高い穿入防止効果を維持できることを示した。