スギさし木品種シャカインの苗木および採穂木のクローン分析を簡便なDNAマーカーであるMuPS (multiplex-PCR of SCAR markers) を用いて調べた。本品種の主要クローンであり, 材質特性が類似する3クローンは単一のMuPS型を示した。熊本県内の3苗木生産業者から購入した苗木を調べたところ, 2業者の苗木から複数のMuPS型が検出された。また, 3生産業者の採穂源に植栽されている採穂木を調査したところ, すべての採穂源において複数のMuPS型が検出された。今後, シャカイン材の品質均一性を維持するためには, 採穂源におけるクローン管理の必要性が示された。