岐阜県飛騨地方のスギ人工林 (61∼67年生) およびヒノキ人工林 (50∼61年生) において, 実測による相対幹曲線と井上・黒川の方法によって導出したBehre型相対幹曲線の比較を行った。Behre型相対幹曲線導出の際, 幹材積の推定に林野庁の二変数材積式を用いた場合, 幹直径は相対高0.2から0.95の範囲においてスギで2 cm, ヒノキで1 cm過少に推定された。このことは主に林野庁材積式が幹材積を約1割過少推定することに起因していた。井上・黒川の理論的材積式は林野庁の材積式よりも誤差が小さく, 同式を用いて作成した相対幹曲線は, 現実の相対幹曲線および岐阜県によって調製された三次相対幹曲線とよく一致した。以上の結果は, 井上・黒川の方法の幅広い適用性を示している。