関東育種基本区内スギ精英樹765クローン2,205本 (茨城県日立市植栽) のジベレリン処理による雄花着花量の評価を行い, 評価手法について検討した。全ての調査個体のジェノタイピングを行い, 9人の評価者による反復を設けた目視による指数評価 (全く着花していないか, 非常に少ないものを指数1, 非常に多いものを指数5とする5段階評価) を行った。SSRによるジェノタイピングによりミスラベルを排除したクローンの評価結果は山型の分布を示し, 平均値は3.06であった。評価者の人数と評価値の推定精度の関係を求めたところ, 経験の少ない評価者の参加により推定精度が低下すること, 人数の増加とともに推定精度が上昇しそのばらつきも小さくなることが示され, 雄花着花性のクローン評価に評価者の反復を設けることの重要性が示された。ジベレリン処理による着花は自然着花と比較して総じて高い値を示し, 2年間の値の相関は高く, 雄花着花量評価にはジベレリン処理を行うことが適切であることが示唆された。