本研究の目的は,国内でFSC認証を取得した17の森林の認証結果から,審査過程で認証取得の条件として与えられた「改善の指摘」の数と内容から認証機関の審査の特徴を明らかにすることである。17の森林を審査した認証機関は四つである。材料は,各認証機関のホームページで公開されている審査結果の概要報告書である。17の森林の「改善の指摘」をFSCの10原則と56基準にあてはめて表にした結果,原則6と7は認証機関にかかわらず共通的に指摘をされていた。その他の「改善の指摘」は認証機関によって指摘するところに差がみられた。しかし,17の森林は,「改善の指摘」の数が多い少ないにかかわらず認証を取得している。これはすべての認証機関に共通する性格で,教育的あるいは指導的な審査であるといえる。