宮城県蔵王山系馬ノ神岳に遺存しているカラマツ(以下,ザオウカラマツ)と中部山岳地帯に広く分布しているカラマツ( Larix kaempfen ;以下,ニホンカラマツ)を識別するためのDNA分子マーカーを開発した。ザオウカラマツおよびニホンカラマツのそれぞれに特異的に現れるRAPDフラグメントを単離し,そのSCAR化を行った。その結果,ニホンカラマツに高い特異性を示す3マーカーとザオウカラマツに高い特異性を示す2マーカーを得た。この5マーカーを同時に使用することにより,ザオウカラマツとニホンカラマツを識別(危険率:4.91×10-7 )することが可能になった。この5マーカーのうち識別能の高い3マーカーを用いることにより,より容易に識別(危険率:2.45×10-5 )ができる。