複数時期の空中写真をデジタルオルソフォトに加工し,竹林分布の時系列変化を隣接する土地被覆と関連付けて把握した。福岡県篠栗町と立花町の両地域において,竹林面積はおよそ30年間で1.3~1.7倍増加していた。竹林拡大部分を土地被覆別にみると,広葉樹林が40%以上を占め,最も大きな割合を示した。一方,竹林の縮小部分も確認されたが,それらのほとんどは人為による土地改変が原因とみられた。タケの侵入率を,期首の隣接エッジ長と拡大エッジ長から求めたが,両地域ともに草地への侵入率が最も高く,次いで,広葉樹林への侵入率が高かった。竹林の分布フロントの移動速度は,1年あたりおおよそ1.1~1.6mであり,土地被覆間で大きな違いはみられなかった。