福島県会津地方の80年生以上100年生までのスギ人工高齢林を調査し,既存の調査資料と合わせ,100年生までに適合すると思われる樹高成長曲線の検討を行った。最小二乗法による残差平方和が最小値であったMitscherlich式を近似式として選択し,ガイドカーブとした。会津地方で用いられている樹高成長曲線式(以下,Aizu式)のガイドカーブと比べて,新しく選択したMitscherlich式による樹高成長曲線は60年生以降,同一林齢に対する上層木平均樹高値が高いことが判明した。林齢とともに双方の樹高成長曲線の上層木平均樹高の成長差は増大した。100年生までの林分を含んだMitscherlich式による樹高成長曲線は,高齢級において,従来から用いられているAizu式の樹高成長曲線より,樹高値が上方に推移していることが判明した。