市販の輸入鶏肉からカンピロバクターの分離を行ったところ, Preston培地を用いた場合に26/100検体 (26.0%), Bolton培地を用いた場合に13/100検体 (13.0%) から菌が分離された. 雑菌に対して抑制の弱いBolton培地は, 増菌培地に肉を残したままの培養には適さないことが示唆された. 24時間増菌培養後にPreston培養液の1m l を新たなPreston培地 (10m l ) に接種した二段階増菌では, 菌分離率は42.0%まで増加し ( p <0.05), 他方, 1m l をBolton培養液からPreston培地に接種した場合には菌分離率は33.0%まで増加した ( p <0.05). 輸入鶏肉のように冷凍保存された検体では, 凍結・解凍過程において, 食品中でカンピロバクター菌数の減少が想定されることから, 検体の乳剤全量をBolton培地で前増菌 (24時間) 後, 培養液の一部をPreston培地に接種する, 二段階増菌法が有効であることが示唆された.