日本国内に市販されている食肉類,魚介類および惣菜類について,腸内細菌科数の測定法としてISO法およびEBプレート法の比較検討を行い,次の結果が得られた. 1) ISO法および37℃培養でのEBプレート法により測定した腸内細菌科数は相関が高く, t 検定においても有意水準 5% で「有意差なし」と判定された. 2) ISO法および35℃培養でのEBプレート法により測定した腸内細菌科数は相関が高いものの,ISO法に比べて35℃培養でのEBプレート法の腸内細菌科数が多く計数される傾向が認められた. 日食微誌 Vol. 28 No. 3 2011 3) EBプレート法の37℃および35℃培養での腸内細菌科数は相関が高いものの,35℃培養が37℃培養に比べて腸内細菌科数が多く計数される傾向が認められた. 4) EBプレート法による腸内細菌科数の測定は,培地調製および確認試験が不要であり,迅速・簡便に測定ができることから,ISO法の代替法として有効な測定方法であると考えられた. 5) 腸内細菌科の試験は,培養条件により試験結果が異なる可能性があるため,対象とする標準試験法(公定法)の培養条件に合わせてEBプレート法を実施することが重要であると考えられた.