2009年4月から2010年3月の間に発生したNoVによる食中毒10事例に関連した調理従事者28名から,経日的に糞便94件を採取し,NoV陰性確認試験を実施した.推定原因食品提供後に,NoV陰性が確認されるまでに要した日数は平均21.9日であった.調理従事者28名中17名(61%)は3週間以内に陰性となったが,5名(18%)では陰性確認に4週間以上を要した.NoV排泄が4週間以上続いた調理従事者においては,10日以上経過すると糞便中のNoV遺伝子コピー数が1.7×104~9.6×105/g糞便まで減少し,この状態が3週間から5週間継続した後に陰性化した.NoV食中毒の再発防止のために調理に直接従事する者の陰性確認試験の重要性が示された.