鶏肉類からの C. jejuni / coli 検出を簡易迅速に行うために,二段階増菌による増菌培養液にイムノクロマト法を併用する方法を鶏肉類100件を用いて検討した.その結果,一次増菌培地に血無プレストン培地を,二次増菌培地に血加プレストン培地を用い,非微好気培養下で増菌培養後にイムノクロマト法を行う方法が, C. jejuni / coli の簡易迅速検出法として有用であった.この方法で得られた C. jejuni / coli 検出率(73.3%)は,対照法(ウマ血液添加ボルトン培地42℃ 48時間微好気培養)にイムノクロマト法を応用したときの検出率(55.5%)や,コロニー分離法を用いたときの検出率(58.3%)よりもやや高い傾向を示した.本法はウマ溶血液が微量で済み,微好気培養も不要であり,二段階増菌時間(48時間)とイムノクロマト法による C. jejuni / coli 検出時間(30分強)を加えても,検査に要する日数は2日間であることから,鶏肉類取扱現場での品質管理などにおける C. jejuni / coli 検査法として有効であると考える.