A.乾燥イカ菓子から分離された Salmonella Oranienburgおよび Salmonella Chesterの各種培養温度 (10~45℃), pH (3.8~6.6) および食塩濃度 (0~10%) 条件下での1%ペプトン水 (Tryptone;Difco) 中における動態を検討して以下の結果を得た. 1) S.Oranienburgは13~45℃ で, S .Chesterは13~42.5℃ の培養条件で増殖した. 2) S .OranienburgおよびS.ChesterともにpH4.4以下では減少した. 3) S .Oranienburgは10%食塩濃度で生残したが, S.Chester同濃度の食塩濃度では62時間後には不検出となった. 4) 異なる割合で同時に接種された S .Oranienburgと S .Chesterの比率は増殖中にほとんど変化しなかった. B.サルモネラに汚染された3種類の乾燥イカ菓子を恒温 (25±1℃) 恒湿 (55±5%) 保存し, 汚染菌の動態を検討して以下の結果を得た. 1) 3種類のイカ菓子中のサルモネラは同様の経過で減少した. 2) イカ菓子中のサルモネラは, そうめん状でははじめ1.6×103cfu/gであったものが204日後まで, 短冊状では1.1×101cfu/gが70日後まで, 四角形のものでは1.1×104cfu/gが245日後まで検出された. 3) イカ菓子中の S .Oranienburg: S .Chesterは, はじめ6: 4であったが, 7日目には7: 3, 21日目には9: 1となった.