食品媒介感染症の重要な起因菌として世界的に注目されている L. monocytogenes について, 食品からの迅速検出を目的としてPCR法の応用を試みた.今回は, すでに報告されている7組のPCRプライマー (C・D, MonoA・B, hly 1・2, prf A1・2, LM1・2, SH2A・B, SI3A・B) を選び, その特異性について基礎的検討を行った. L. monocytogenes に対する特異性が最も良好だったのはプライマーMonoA・Bであった.プライマー prf A1・2, hly 1・2, LM1・2も特異性は高かったが, 一部の菌株に擬陽性が認められたほか, 非特異性のバンドが得られた.非特異性のバンドが得られたプライマーは希釈濃度を変えることによって非特異的副産物が消失し, 特異性が高まることが認められた.