免疫磁気ビーズ分離法を用いて87件の鶏肉からサルモネラの分離を行った.日本国内で入手可能なサルモネラ検出用免疫磁気ビーズは2種類ある.両者ともサルモネラの抗体が磁気ビーズの周りに付着されているが一方はサルモネラO抗体が付着され, もう一方はサルモネラH抗体が付着されている.今回はこれら2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用することで2種類の免疫磁気ビーズを単独で使用したときと免疫磁気ビーズを使用しない従来法より検出率が上がるかを比較した.その結果, 2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用する方法が最も多くのサルモネラを検出した.これら2種類の免疫磁気ビーズはそれぞれが目的としている抗原が異なることから, 混合することで相乗効果が生じて検出率があがったと考えられる.したがって, 2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用する方法はサルモネラの検出率を高めることが示唆された.