苦情食品として持ち込まれたアルコール保存剤が入った油菓子 (ミニドーナツ, a w 0.81) を汚染していた白いカビは分離した菌株の培地における生育性状および生化学的試験の結果から T.nigrescens と同定された.本菌が市販食品から分離されたのは今回が初めてである. 本菌はアルコールの発酵能力は弱く, 液状培地を用いたアルコール耐性試験ではエタノール濃度が5%では生育するが, 6%では生育できなかった. また, T.richosporonoides はMY50GA ( a w 0.89) に良く生育し, MY70GFA ( a w 0.76) にも生育する好乾菌である.