飲料適否試験目的で供試された検査材料をXGM培地により試験し, 大腸菌群陽性を示した112検体を用いてLB培地との比較を行った.また, XGM培地を通して分離された大腸菌群の菌株について同定試験を行い, 菌種を把握するとともに, それら菌株のLB培地における性状を検討した. 年度別に見た飲料水からの大腸菌群検出状況では, 採用する検査方法の違いにより有意差が認められた. XGM培地において大腸菌群陽性を示した112検体を用いてLB培地による大腸菌群検査を比較した結果, 両者一致率は65.2%と低い値を示した. XGM培地陽性検体から大腸菌群を分離し, 菌種同定を行った結果, Enterobacter 属が全体の29.6%を占め, 次いで Citrobacter 属25.9%, 以下, Eschrichia 属13.2%, Aeronzonas 属11.6%, Klebsiella 属7.9%, Serratia 属5.3%であった. XGM培地において大腸菌群陽性を示した分離菌株189株のうち, LB培地で陽性を示したものは114株, 両者一致率は60.3%であった.