静岡県内の食鳥処理場で採取したブロイラーの盲腸内容物から分離したカンピロバクターをRAPD PCRにより型別した.カンピロバクターは160検体中91検体 (56.9%) から分離され, 8鶏群中5鶏群がカンピロバクター陽性であった.カンピロバクター陽性の5鶏群のうち3鶏群から複数のRAPDタイプのカンピロバクターが分離され, 2鶏群からそれぞれ単一のRAPDタイプのカンピロバクターが分離された. 複数のRAPDタイプが分離された鶏群は検査した全羽がカンピロバクター陽性で, 同一検体から複数のRAPDタイプのカンピロバクターが分離される例が見られた.これらの鶏群では, 農場において複数回のカンピロバクターによる汚染があったものと推察された. 一方, カンピロバクター陰性の鶏群は農場においてカンピロバクターの汚染はなかったものと考えられた. これらの鶏群のカンピロバクターによる汚染状況の差は, 農場における衛生管理の違いを反映している可能性がある.