水産食品中における L. monocytogenes の消長について調べた結果, ニシン切り込みでは5および12℃ 保存の場合, 日数の経過につれて L. monocytogenes 数はそれぞれ1.6log cfu/m l , 2.8 log cfu/m l の減少が認められた.また25℃ 保存では貯蔵7日目においても約1log cfu/m l の減少しか見られなかった.一方, イカ塩辛では試験したすべての保存温度で L. monocytogenes 数は保存開始直後から急速に減少し, 5℃ では6日目, 12および25℃ では4日目以降で検出できなくなった.サケいずしでもすべての温度で減少傾向を示したが, 保存温度の低い5℃ では28日目においても検出限界以下 (<2 log cfu/m l ) とはならなかった.また新たに原料魚種の異なる3種類のいずしにおいても L. monocytogenes 消長を調べた結果, 乳酸菌の増加した2日目以降 L. monocytogenes 数は急速に減少することが観察され, この減少速度に構成している乳酸菌相が大きく関与することを明らかにした.