秋田, 埼玉および静岡の3施設において分離されたヒト, 鶏および牛由来Penner B群, D群 Campylobacter jejuni をPFGE (パルスフィールド電気泳動) 法により遺伝子解析を行ったところ, 170株が80型に型別された.このうち15の型についてはヒト-鶏由来株間でそして一つの型についてはヒト-牛由来菌株間でそれぞれ同一の遺伝子型を示した.分離した地域・時期が異なるにもかかわらず同一の遺伝子型を示す菌株が複数認められたことから, 広い地域にまん延し, 繰り返しヒトに感染する遺伝子型の C.jejuni が存在する可能性が示唆された. また, UPGMA (unweighted pair group methodwith averages) 法によりクラスター解析を行ったところ, 供試菌株が大きく4つ (IからIV) のグループに分けられた.このうちグループIVでは, 8つのPFGE型についてヒト-鶏由来菌株間で同一の遺伝子型が認められ, 本グループの鶏肉 (レバー) 由来株はカンピロバクター腸炎との関連性が強いことが示唆された.