試験管培養法による菌分離率は, 鶏肉中のカンピロバクター菌数 (MPN値/100g) が103以上の場合には94.4% (17/18検体), 102台の場合には45.5% (5/11検体) で, ガス置換の有無による差は見られなかった.一方, 汚染菌数が102未満/100gの場合には, ガス置換した場合の菌分離率が19.2% (5/26検体) であったのに対し, ガス置換しない場合には菌が分離されなかった.試験管培養により一度に多くの検体数を処理することが可能であり, 汚染菌数が高い (103MPN値/100g以上) 鶏肉のカンピロバクターの検査には, ガス置換をしなくても有効であることが示唆された.なお, 同時に検査したサルモネラは49.1% (27/55検体) から分離され, そのうち32.7% (18/55検体) の市販鶏肉からはサルモネラとカンピロバクターの両方の菌が分離された.