高齢者に噛み切りやすいイカ加工食品を開発するために, 外套膜の体軸方向と体軸直交方向の2方向の試験片を引張試験と剪断試験により, スルメイカの破断特性を調べた. イカ肉は表皮第4層と内臓側皮組織, 2種類の筋繊維の層状構造により, 破断特性には, 高度に異方性, 部位差があることが, 引張試験及び剪断試験より明らかになった. また, 破断荷重やヤング率の温度及び変形速度依存性からは, 低温や高速の方が低い値を示すことがわかった.