大豆煮汁からの醸造酢製造では, 味噌麹 (米) と清酒酵母K77を用いてエタノール発酵を行った後, 酢酸菌 A. aceti IFO3283を用いて酢酸発酵を行うことで, 香味の優れた製品を製造できることがわかった. 次に, 大豆煮汁からの醸造酢製造を実用化するためにスケールアップの検討を行った結果, 発酵槽を用いた通気培養では発泡が問題となった. 発泡現象を解消するための検討を行った結果, 麹と酵母を用いたエタノール発酵を行うことで, 酢酸発酵時の発泡をかなり抑制することができた. 大豆に含まれる界面活性物質であるサポニンの分析を行ったところ, エタノール発酵の過程でサポニンが分解されていることがわかった. 得られた醸造酢の生理活性について in vitro 評価を行った結果, 優れた抗ラジカル活性およびACE阻害活性を有することがわかった.