完全甘ガキ品種 ‘松本早生富有’ の収穫後に発生する早期軟化果実について, PG並びにPEの活性変化を調査した. 早期軟化果実は, 収穫直後のPG活性が健全な果実に比べて約16倍高く, 日数の経過につれて著しく増加した. 次にエチレン作用阻害剤である1-メチルシクロプロペン (MCP) を早期軟化果実に対して処理したところ, 処理後室温保存下で収穫13日後まで, 30℃保存下では収穫10日後まで軟化の発生を抑制した. そこで, 1-MCPの処理がPG活性に及ぼす影響を調査したところ, 収穫13日後で収穫直後の約1.3倍の増加となり, 無処理果実の2.5倍に比べて, 活性の増加を抑制していることが判明した.