ヒト腸管由来の L. acidophilus と汎用の S. thermophilus をスターターとした山羊乳プロバイオティクヨーグルトの開発を目指して, 山羊乳における供試菌株の生育性, 試作ヨーグルト冷蔵時における L. acidophilus の生残性などを検討した. 牛乳に比較して山羊乳中での L. acidophilus JCM11047と S. thermophilus 510の酸生成が旺盛であるのは, 山羊乳中の非タンパク態窒素含量の多いことによるものと考えられた. さらに1% (v/v) 量の L. acidophilus JCM11047のバルクスターターと2% (v/v) 量の S. thermophilus 510のバルクスターターを山羊乳に添加し42℃で培養すると, 3% (v/v) 量のそれぞれのバルクスターターを単独で添加し培養した場合に比較して酸生成が促進するとともに, L. acidophilus JCM11047も増殖することが知られた. 42℃で16時間培養することでヨーグルトの製造が可能となり, この試作ヨーグルトを4℃で7日保存しても107cfu/mlレベルの L. acidophilus JCM11047の生菌が残存しており, 今回の試作条件で有用なプロバイオティクス含有山羊乳ヨーグルトの製造が可能であることが示された.