ジアシルグリセロールより調製したマヨネーズ様水中油滴型エマルションの乳化性に及ぼす塩の種類の影響をトリアシルグリセロールのそれと比較検討し, 次の結果を得た. (1) 塩類の添加により, TAG, DAGともに全てのエマルションの粘性係数および降伏値は増加し, 流動性指数は減少し, チキソトロピー性が生じた. エマルションの平均粒子径は小さくなった. (2) エマルションの流動特性に対するCaCl2およびMgCl2添加の影響は, TAG, DAGともに, NaCl, KClおよびMgSO4添加に比べて大きかった. (3) 塩濃度の影響は高濃度 (水相に対して3.30% (w/v)) において低濃度 (水相に対して1.65% (w/v)) よりも大きい傾向にあったが, CaCl2添加DAGエマルションは, 高濃度では不安定になり, 構造破壊を示す流動曲線を示し, 粒度分布の巾も広くなった. (4) 塩類の混合は, DAGエマルションの構造を不安定にすることが示唆された.