高ゼリー強度ゼラチンA, B, Cおよび低ゼリー強度豚皮酸処理ゼラチンFの融点はMTG添加により上昇した. 落下法において融点上昇が最も大きかった高ゼリー強度豚皮酸処理ゼラチン (C) の融点はDSC測定により約1℃上昇することが確認された. ゼラチンの種類の影響を高ゼリー強度ゼラチンA, B, Cに対するMTGのゲル強度と架橋結合量に対して検討した結果, AおよびCにおいてゲル強度の増大とA, B, Cいづれの試料において結合量の増大がみられた. また, ゼリー強度の大きいゼラチンほどMTGによるゲル強度の増大は大きく, 結合量はいづれの試料においても同じように増加した. ゼラチン濃度が高いほどゲル強度の上昇は早かった. MTGの添加量に伴って, 試料Aでは1u以下ではゲル強度は増大し, 5u以上では反応時間1~2時間後に急激に低下し, 結合量は両濃度で増加した. SEMにより, MTG処理ゲルでは骨格が太く密な網目構造が観察された.