電解水の殺菌処理の高度化について検討した. (1) ネギの部位によって有効塩素の消失量に違いが認められた. 有効塩素濃度, 処理水量, 殺菌効果の関係や作業の簡便さを考慮し, 強酸性電解水による2分間浸漬が最適であると考えられた. 前処理として強アルカリ性電解水処理を行うことがネギでも有効であることが明らかとなった. その場合も, 温強アルカリ性電解水で1分以上の処理を行った後, 冷強酸性電解水で2分以上の攪拌を行う処理が最適であると考えられた. (2) 共焦点レーザー顕微鏡を用いてレタスの表面を観察した結果, 気孔周辺や細胞の境界部分など変化がある部分に多数の菌が存在していることが明らかとなった. そのため, 強酸性電解水で処理を行っても菌との接触が容易ではないために高い殺菌効果につながっていないと考えられた. ネギに関しても同様に, 表面の変化がある部分に多数の菌の付着が認められ, その分布もある程度の深度まで達していることが明らかとなった. またレタスと同様に, 気孔周辺に存在している菌や損傷細胞等の中へ侵入している菌に対する高い殺菌効果は得にくいと考えられた.