JAS法改正に伴い食品表示制度が適正に運用されることが求められている. そのため表示内容の真正性を評価する科学的手法の確立が急務である. そこで, 種判別や系統分析で使用されているmtDNAの遺伝子領域を標的としたDNA分析が, マダイ, チダイ及びキダイの魚種判別に適用できるかどうかについて検討した. 各魚種から抽出したDNAを用いてミトコンドリアチトクロム b 遺伝子の塩基配列を解析した. 1種類の制限酵素でRFLP分析を行えるように制限部位を選択した. Ssp I及び Stu Iを用いたPCR-RFLP分析を行ったところ, それぞれの制限酵素から魚種間で異なった制限パターンが認められたため, これらの酵素を用いた魚種判別が可能となった. また, 種特異的プライマーを用いたマルチプライマーPCRによる種判別法を開発した.