生育途中のカキ ‘西条’ の葉を材料とした柿葉茶を用いて, 蒸熱処理時間と焙煎処理が370日間保存後の総アスコルビン酸 (T-AsA) 含量およびラジカル捕捉活性に及ぼす影響について検討し, 以下の点を明らかにした. (1) 焙煎未処理の蒸熱5分間処理区で保存期間中のT-AsA含量を最も高く保持できた. それ以上の蒸熱処理時間区ではT-AsA含量の保持効果が低くなった. (2) 対照区 (蒸熱無処理区) では, 保存前の焙煎処理区のみT-AsAを残存させることが出来た. (3) 蒸熱5分間処理区では, 焙煎処理が保存前後いずれでも同程度のT-AsA含量を示した. (4) 柿葉茶のラジカル捕捉活性には, T-AsA以外のポリフェノール成分の関与が示唆された. (5) 以上のことから, 適切な蒸熱処理時間と焙煎処理を行うことで高いT-AsA含量, ラジカル捕捉活性を保持した柿葉茶の製造が可能であることがわかった.