おからを酵素分解処理しておから乳と原豆乳と混合した全豆乳を豆腐にして資源化する方法において,全豆乳に作用させるTGaseの固定化について検討を行い,以下の結果を得た. (1)レバチットVP OC 1065樹脂(Lew),セルロースビーズ(Cell)及び寒天ゲル(Agar)の3種の担体にアビジン(A)-ビオチン(B)間の特異的結合を利用した外部担体結合法により調製した6種の固定化TGaseのうちでハイドロキサメート法による活性が大きかった,Lew-B-A-B-TGase, Cell-B-A-B-TGase及びAgar-A-B-TGaseを全豆乳の酵素処理(50°C,30分)に用いた.それらの中でLew-B-A-B-TGase 1.0mgは3粒でTGase 68μgを含有し,1回分で30mlの全豆乳液のTGase処理を少なくとも10回は全く活性低下なく行え,高活性かつ安定で,実用的な固定化酵素であることがわかった. (2)全豆乳のTGase処理効果はGDL添加による凝析度を濁度測定により,またGDLで凝固させて得られた豆腐の貫入試験による破断強度測定により定量化することができた.実際に得られた豆腐の貫入試験の結果からTGase処理全豆乳に対する凝固剤GDL及び混合凝固剤GDL-MgCl2の凝固特性は通常の豆乳に対するものと異なることが明らかになった.