小豆ポリフェノール(APP)をマウスにゾンデで単回投与して,その後,ジャガイモデンプン,ショ糖およびマルトースをそれぞれ与えると,すべてのマウス群の血中グルコース濃度はコントロール群に比べ有意に低い値を示した.しかし,グルコースを与えた場合に有意差は認められなかった.また,1日に与えるAPP量を単回投与の約40%量として2週間継続投与後,ショ糖を与えた場合にも,血中グルコース濃度はコントロール群のそれに比べ有意に低い値を示した.ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウス(STZ-DM)にAPPを単回投与してショ糖を与えると,血中グルコース濃度はコントロール値よりも有意に低い値を示した.また, in vitro 実験により,APPの添加濃度に依存してα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ活性が抑制されること,およびAPP亜画分(APP-EおよびAPP-M)の特にAPP-Mが,α-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ活性を抑制することを明らかにした.これらの結果は,APPによる血糖値上昇抑制作用は,主にAPP-Mの糖分解酵素の活性抑制作用に起因することを示唆している.