異なる発酵室温度で試作した納豆に含まれる粘質物の動的粘弾性値,静的弾性係数を官能評価値と比較した結果,以下の知見を得た. (1)発酵室温度40℃および45℃で試作した納豆に含まれる粘質物の糸引きが官能評価において良好であった. (2)異なる発酵室温度で試作した納豆の粘質物間において,静的弾性係数 E および動的粘弾値 E prime;の値では有意な差異は認められなかったが,動的粘弾性値tan δの値には有意な差異( p <0.01)が認められ,官能評価値と負の相関( r =-0.90)を示した. (3)納豆に含まれる粘質物のtan δは発酵状態の良否の推定に有効な数値指標として利用可能なことが示唆された.